1着1枠2番 ファレノプシス(松永幹夫3番人気)
2着1枠1番 フサイチエアデール(横山典弘1番人気)
3着7枠14番 エイダイクイン(二本柳壮10番人気)
たった今、ファレノプシスが第25回エリザベス女王杯を勝ちました。
彼女は4歳クラシックロードで見事2冠(桜花賞・秋華賞)に輝いたのですが、その後斤量等の関係で適当なレースが見つからず、出るレースといえば男馬達とのレースばかり。
なかなか勝てないレースが続きました。
そんななかむかえた去年のエリザベス女王杯。
体調も万全、人気も1番人気。浜田調教師もかなり自信があるようでした。
しかし結果は、直線の致命的不利で6着。
その後の有馬記念8着。
年を越えてマイラーズカップ10着。
夏の北海道、札幌記念でも7着。
「この馬はもう終ったんじゃ・・」
そう囁かれはじめます。
馬主との協議の結果、今年のエリザベス女王杯を最後にお母さんになることが決りました。
ファレノプシスはそんなに体が強い馬でない為、1レース使うとガクッときてしまします。
陣営はそんなファレノプシスを気遣い、このエリザベス女王杯一本に的を絞ってきたのです。
坂路でこれでもかというほど追われました。
彼女も自分がこのレースで引退すると言う事を理解していたのではないでしょうか。
レースは人気2頭を前に、松永幹夫騎手が必死に手綱を押さえていました。
第4コーナーで後輩のトゥザビクトリー、フサイチエアデールがファレノプシスを一瞬引き離します。
直線、人気2頭が抜け出しました。
もうダメか、やっぱり終ったのか、伸びないのか・・・・。
そう思いかけた時でした。
先輩の意地、G1馬の意地。
陣営の期待、ファンの期待。
すべてが重なって・・ファレノプシスは矢のような脚、現役最高の上がり3F33.6を使い、グングン伸びてきたのでした。
「外からファレノプシスゥゥゥ!!松永幹夫の左ムチが飛ぶぅ!!・・・・見事、引退の花道を飾りましたぁ!」
京都競馬場に見事な胡蝶蘭(ファレノプシス)が咲き誇りました。
最後に。レース前の浜田調教師の言葉を紹介します。
「4歳クラシックの最初のレース、桜花賞で勝ってくれたのがファレノから僕への最高の贈り物でした。今度は僕がエリザベス女王杯をプレゼントしたいな。そう思っているんです・・」
これからは、彼女の子供達がターフにやってくる事を楽しみにしたいと思います。
注)本記事は2000年11月に執筆したものを加筆修正したものです。