「とっしゃんのエアスピネルきたなぁ・・。
でも肝心のサンライズノヴァが飛んじゃどうしようもない。
それにしても内枠先行天国やったなぁ・・」
先週土日の東京のダートは明らかにその傾向が出ていた。
分かっちゃいるが前日予想を変えるなんて展示会の最中ではできるはずもなく。
控室、といっても公民館の少し広めの給湯室だが、競馬中継を見ながら「やっぱりな」と悔やんだみたい。
その展示会は大成功。
3日間で目標の1千万を大きく超えて1千2百万ほどいったらしい。
こぎんちゃんも奥さんも上機嫌。
もちろん問屋であるカクヨネの営業部長とっしゃん、経理課長のがんちゃんも大喜び。
さすがこぎんちゃん、てなもんだ。
今日の夕ぐれ食堂は祝勝会。
フェブラリーSが的中していればもっと良かったがそれでもうれしいお祝いには違いない。
いつもの3人に加え、こぎんちゃんの「筑後屋」の担当営業、カクヨネの野田君も呼ばれてる。
「そんなら展示会の成功を祝して!みなさん、カンパァ・・」
ペシッ。
「お前がいうな」
とっしゃんに頭を小突かれた野田君、舌を出しながら「冗談ですばい。冗談。」
みんながどっと笑う。
野田君はいつも冗談を言って周りを笑わせるひょうきんもの。
仕事はできるとは言えないが、持ち前の人たらしで取引先の社長には気に入られる。
こぎんちゃんも、自分の営業マン時代と重ねているのか、ミスはしっかり叱っても、野田君のことは大好き。
改めてとっしゃんの発声で乾杯。
「それでは筑後屋の展示会大成功と、おいのエアスピネル2着激走も祝して!?乾杯!」
こぎんちゃん、がんかちゃん、とっしゃん、野田君、弓子さんがそれぞれグラスを合わせた。
そこからは弓子さん特製の鉢盛を皮切りに美味しい料理が次々と運ばれてくる。
途中野田君がおもむろに少し大きめの段ボールを外から持ってきた。
「弓子さん、これ・・」
お呼ばれした今日は、実家のイチゴ農家から「あまおう」を1ケース12パック持ってきてくれたみた。
「うわぁ、うれしい。野田君、ありがとう」
イチゴ好きの弓子さんは大喜び。
食後に練乳、牛乳とセットで出してくれるって。
いいこ頃合いに酔ってきたころ、野田君が競馬新聞を広げた。
「大将、明日はどうしますね。」
野田君はこぎんちゃんのことを大将と呼ぶ。
「中山記念の方でいこう。俺は勢い重視でデンデン(◎本命)は⑧ヒシイグアスでいく。
中山金杯で悩んだ末にヒモに落としたのを後悔してるからここで返してもらうつもり。
とっしゃんの爆穴ご信託も賜っておこうかね。」
「おいは中山金杯でも狙った⑨サンアップルトンが気になるな。
年明けから善臣もそこそこ乗れとるし、中山1800なんて微妙な条件がいかにも合いそうやし・・」
エアスピネルを推した次の週だけになんだかいつもより説得力がある、ように見える。
「よし、それはもちろん相手に入れよう。がんちゃんと野田は?」
がんちゃん、新聞からにおとしていた目を上げて
「私は①トーセンスーリアですね。
実績的に1枚上手といってもいいんじゃないかなと思って。
ここ2走が宝塚記念と札幌記念。どちらも大きく負けてませんしね。1枠1番というのもいいと思います」
「自分は⑬ウインイクシードですね。
これは大穴でしょうけど、よかですよ。
中山巧者。前走だって大きく負けてないしここまで人気落とすなら買いじゃなかですかね」
スルメを噛みながら野田君。
「じゃあ今日はみんなでお祝いしとるんやから、挙げてもらった馬は全部デンデンから流す。
あと忘れちゃいけんのが⑩ゴーフォザサミット。エビショーもいよいよ引退やもんな。
これは買わないかん。おーし、穴もおるし、これは楽しみやなぁ・・」
大成功の展示会に続けば言うことなしだがはてさて・・。
【こぎんちゃん馬券】
馬連⑧-①④⑥⑦⑨⑩⑪⑬ 8,000円(1,000円×8点)
【がんちゃん馬券】
3連単1頭軸マルチ ①-④⑦⑧⑨⑪⑬ 9,000円(100円×90点)
結果
1着⑧ヒシイグアス
2着④ケイデンスコール
3着⑬ウインイクシード
【こぎんちゃん馬券】馬連18.0倍的中!
馬連⑧-①④⑥⑦⑨⑩⑪⑬ 8,000円(1,000円×8点)
【がんちゃん馬券】ハズレ
3連単1頭軸マルチ ①-④⑦⑧⑨⑪⑬ 9,000円(100円×90点)